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建築の規則

信州大学工学部社会開発工学科:学部2年 2008年冬

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第1講 質料の規則 のっとるとでこつるとのっざら - smoothness

《参考文献》

[A]…講義の理解を深めるために是非一読を(入手も容易)。
[B]…講義の内容を発展的に拡張して理解したい人向け。
[C]…やや専門的だが、面白い本。
[D]…やや専門的かつ入手困難だが、それだけに興味のある方は是非。

  1. フィリップ・ジョンソン、ヘンリー=ラッセル・ヒッチコック(Philip Johnson, Henry-Russell Hitchcok)、1978(1932)『インターナショナル・スタイル』(武澤秀一訳)、鹿島出版会 [A]
    ● 四角く白い箱が何故生まれたか、その起源はここにある。

  2. ジャン・ヌーベル展カタログ(東京オペラシティアートギャラリー)、2003、サントリーミュージアム [C]
    ● ヨーロッパ的な質料感を充満させる建築家ヌーベルの手の込んだ展覧会のもっと手の込んだ作品集と言説。

  3. 多木浩二、2001「電子テクノロジー社会と建築」8月号/「日常性と世界性」9月号/「そこに風景があった」10月号/「ノイズレスワールド」11月号/「建築あるいは非建築」12月号、『ユリイカ』所収、青土社 [B]
    ● 多木浩二が伊東、坂本、山本、妹島らの最近作をかたる興味深い論考。

  4. 藤幡正樹、1999『アートとコンピューター』、慶応義塾大学出版会 [D]
    ● 藤幡正樹によるコンピューターアートの射程。

  5. 坂根巌夫、2003『拡張された次元ー科学と芸術の相克を超えて』、NTT出版 [D]
    ● コンピューターアートの存在意義を確かめる含蓄のある論考。

  6. リチャード・ドーキンス(Richard Dawkins)、1993(1986)『ブラインド・ウォッチメイカー』(日高敏隆監訳)、早川書房 [B]
    ● 『利己的な遺伝子』で有名なドーキンスの進化論の名著。

  7. 三嶋博之、2000『エコロジカルマインド』、NHKブックス [A]
    ● アフォーダンスを知るならまずこの本から。特に建築とのかかわりはこの本がわかりやすい。

  8. アロイス・リーグル(A. Riegl)、1970(1893)『美術様式論』、岩崎美術社 [A]
    ● ゼンパーの唯物論に対し、芸術意思を説く古典的名著。

  9. ケネス・クラーク(Kenneth M. Clark)、1988 (1973)『ロマン主義の反逆』、小学館 [C]
    ● 質料の噴出をロマン主義にみる。

  10. 谷川渥、1993『美学の逆説』、勁草書房(2003、ちくま学芸文庫) [A]
    ● 私が質料問題に関心を持つようになった個人的に(もちろん一般的にも)大事な本。

  11. 谷川渥、1995『見ることの逸楽』、白水社 [B]
    ● 質料的芸術家の分析。

  12. 谷川渥、2003『廃墟の美学』、集英社新書 [B]
    ● 形式の奥に秘められた質料を暴くもの、それが廃墟。

  13. ポール・ヴァレリー(P. Valery)、1923「エウパリノスまたは建築家」、1978『建築論』(森田慶一訳)所収、東海大学出版会 [B]
    ● 詩人を建築家として規定。「人間が作るものと自然が作るものとはどう違うのかという問い」(柄谷)。

  14. 佐々木敦、2001『テクノイズ・マテリアリズム』、青土社 [B]
    ● 音楽の中に質料を見る。

  15. 柄谷行人、1983 『隠喩としての建築』、講談社(1989、講談社学術文庫) [A]
    ● 論考「形式化の諸問題」に形式の限界が語られる。

  16. 東浩紀、2001『動物化するポストモダン』、講談社 [A]
    ● ポストモダン再考の書として最もアクチュアルな時代分析。

  17. アレクサンドル・コジェーヴ、1987(1947)『ヘーゲル読解入門』、国文社 [B]
    ● アフォーダンス始まり。建築的にも大変興味深い書。

  18. ギブソン(J. J. Gibson)、1985(1979)『生態学的視覚論』(古崎敬訳)、サイエンス社 [B]
    ● アフォーダンス始まり。建築的にも大変興味深い書。

  19. 岩城見一、2001『感性論−エステティックス』、昭和堂 [B]
    ● そもそもの美学であるところの感性の論。資料問題は感性論抜きには語れない。

  20. ヴォルフガング・ヴェルシュ(Wolfgang Welsch)、1998(1990)『感性の思考―美的リアリティの変容』(小林信之訳)、勁草書房 [B]
    ● 著者が言うように、美学がアクチュアルになれるとするならそれは感性的思考という部分においてであろう。